日向徹は、新社長の朝比奈恒介から解雇を言い渡される。
記者会見を終えた日向徹は、朝比奈恒介の部屋に向かった。
朝比奈恒介は、上出来だったよ。と拍手をした。
日向徹は、全部お前なのか?と驚きを隠せない。
朝比奈恒介は、可笑しそうに笑うと、全部俺がやった。社会性のないガキを見つけて、おだてて、金を増やして、好きなように遊ばせてやった。全部俺がやったことだ。がきは、甘やかし過ぎると腐る。俺がお前をこんな風にしたんだ。
と、笑って答えた。
田上芳行は日向徹に、代表取締役社長退任及び退職に伴う支払い金算出と書かれた紙を渡した。そこには、担保株買取50億150万8920円から、謝罪金支払い50億を引いた残りの金額は150万8920円と書かれていた。
田上芳行は、これではほとんど無一文だ。
複雑です。と事務処理について話した。
日向徹は、株はどっなっている?と尋ねた。
田上芳行は、株が底値を打った時、朝比奈さんが一気に買い集めたので所有率が40パーセントを越えています。と教えた。
それを聞いた日向徹は、情報漏洩もアイツが、、と言ったが、田上芳行は、証拠は何処にもありません。と答えた。
そして、パーソナルファイルからも手を引いてください。
パーソナルファイルは、取締役会でネクストイノベーションの新規事業として認められた。あなたの手から離れる。と告げた。
すると日向徹は、そんなことは絶対にさせない。怒り自室に戻った。
自室に戻った日向徹は、パソコンにアクセスをした。しかし制限がかけられていて、アクセスできない。他からも試してみたが全てがアクセスエラーとなり、アクセスエラーが続いたため、ファイルが自動削除されてしまった。
自室から出て社員たちのところへ行った日向徹は、深刻になることではない。僕は新しいことを始めるだけだ。
パーソナルファイル事業だけを切り離して新会社を作る。と告げた。
それを聞いた朝比奈恒介は、日向徹らしいだろ。アイディアとスピードで勝負する日向徹には、ネクストイノベーションは大きくなりすぎた。と話した。
そして、これからは、私がネクストイノベーションの舵をとる。未来を作るのは変わっていくことを楽しめるやつだ。君たちならできる。そうだろう?と社員たちに聞いた。
社員たちは、はい!と答えた。
自室に戻った日向徹は段ボールに荷物を詰めていた。
夏井真琴が、手伝いましょうか?と聞いたが、ほっといてくれ。と言われる。
一方社員たちは、今までがおかしかった。トップに立つのは朝比奈恒介のような人だ。かっこいいし、オーラがある。など褒め称えていた。
その頃小川聡史らは、ネクストイノベーションに残るか、日向徹の新会社に行くか、選択を迫られていた。
小川聡史らが話し合っているところに
日向徹が現れ、よし!俺についてくるか!君たちがそこまでパーソナルファイルに入れ込んでくれていたとは。嬉しいね。と満面の笑みを見せた。
そして、たまたま通りかかった夏井真琴を捕まえ、夏井真琴もついてくると言っている。と言った。私はそんなこと言っていないと言う夏井真琴の口を押さえ、君たちはパーソナルファイルプロジェクトにはなくてはならない人間だ。僕は君たちを必要としている。と告げた。
それを聞いた小川聡史らは、行きます!と決めた。
一方山下芳行は、朝比奈恒介に、日向徹がいなくなった瞬間いきなり失速とはならないですよね?と質問した。
朝比奈恒介は、後悔はさせませんよ。と答えた。
夏井真琴は、朝比奈耀子のレストランに行き、日向徹の送別パーティーの料理を頼んだ。
朝比奈恒介は職場から帰っていく日向徹に、ずいぶん身軽だな。と声をかけた。
日向徹は、持っていくものなんて何もなかった。と答えた。
じゃぁな、と言って帰る日向徹に朝比奈恒介は、それ、貰っておこう。と社員証のカードを渡すように言った。
日向徹は、朝比奈恒介にカードを渡して帰っていった。
次の日、安岡が日向徹の送別会の支度をしていた。そこへ山下芳行が来て、日向徹のいない会社か、、。と言った。
夏井真琴は、朝比奈恒介の部屋へ挨拶をしに言った。
朝比奈恒介は、今日で終わりだね。2ヶ月も頑張ってくれたのに社内がばたついていてごめんね。と告げた。
夏井真琴は、日向さんを解雇にしたのは何か新しいことを始めるための戦略なんですよね?スタートなんですよね?と聞いた。
朝比奈恒介は、ここで働く気はないか?ネクストイノベーションは、正式に君を採用したい。と誘った。
日向徹は、来客用カードでネクストイノベーションに入った。
日向徹が到着すると、スクリーンにネクストイノベーションを立ち上げた当初の写真が流れる。
見終わり、皆が目に涙を浮かべた。
安岡が、日向さんから一言と、司会を務める。
日向徹は思い出の壁の前に立ち、8年前は社会性がなく、攻撃的な人間でした。しかし、現実は面白く、時価総額3000億円の社長になった。そしてここを出て行く。だからこの先はもっと面白くなっていくと思っている。パーソナルファイルは無謀だけど、化けるかもしれない。
どうなるかわからないから楽しみだ。
もちろん、一人でここまで来たわけではない。山上さんが口うるさく金の管理をしてくれて、、、それで、、朝比奈がいてくれたから、ネクストイノベーションを朝比奈の手に委ねることに不安はない。今までありがとう。
日向徹の挨拶が終わり、次に安岡倫哉が、ここで重大な発表がありますと前に出た。
僕たちは、日向さんについて、と言いかけた時、テレビから朝比奈恒介の記者会見が映った。
タイトルにはjiテックとネクストイノベーション新プロジェクトを発表と書かれている。
朝比奈恒介は、この度はjiテックとネクストイノベーションは、共通番号導入にともなう個人情報の管理システムを共同で行うことになった。プロジェクト名はパーソナルファイルです。と説明した。
全員が記者会見の様子にグギ付になっている中、朝比奈恒介が送別会にに花束を持ったやってきた。
朝比奈恒介は、日向徹を見送るのに俺がいないわけにはいかないだろう。お前が取締役会でパーソナルファイル事業を取り付けてくれて助かった。お陰でjiテックとの話も早かった。日向、長い間ありがとう。楽しかったよ。と言うと花束を渡した。
日向徹は、うなだれ小川聡史を連れて帰ろうとするが、すみません。と断られてしまう。
怒った日向徹は、安岡!と名前を呼んだ。しかし、無理です。と断られてしまう。
日向徹は床に花束を叩きつけ、僕の会社だ!ネクストイノベーションは僕が作ったんだ!と怒鳴り散らした。
は、朝比奈恒介頼むからこれ以上醜態を晒さないでくれ。と告げると、
日向徹は、思い出の壁にプロジェクターを投げつけ、修理代は勘弁してくれ。と言い去っていった。
会場が静まり返る中朝比奈恒介は、すまなかった。暖かい料理と酒を追加しよう。と言って朝比奈耀子の元へ行った。
朝比奈耀子は朝比奈恒介の頬を叩いた。しかし、朝比奈恒介は顔色1つ変えず、頼むよと言った。
朝比奈耀子は、わかったわよ。仕事だから。と言った。
日向徹がエレベーターに乗りこむと、夏井真琴が追いかけてきた。
私ついていきます!と言ったが、来るな!と拒まれる。
日向徹は、なんでだろうな、お前にだけは今の僕は見られたくないんだ。と言うとエレベーターを閉めた。
夏井真琴は急いで他のエレベーターを探すが見つからない。階段で降りようとした時、
朝比奈恒介が、ここは25階だよ?階段では降りれない。と言って現れた。
夏井真琴は、どうして大切なものを自分から壊すんですか?と尋ねた。
朝比奈恒介は、大切にしているように見えたのなら計算通りだよ。と答えた。
エレベーターが到着し、夏井真琴は乗り込もうとする。
しかし、朝比奈恒介に腕を掴まれ、行くな。と言われる。
夏井真琴は、採用の話ありがとうございます。でもお断りします。私日向さんのことが好きです。お世話になりました。と伝えエレベーターのドアを閉めた。
朝比奈恒介は、2人も行くのか。と、呟いた。
夏井真琴は、エレベーターから走って降り、帰ろうとしている日向徹にまって!とバイクの前に飛び出して言った。そして、私一緒に行きます。ネクストイノベーションも、s-tel製薬株式会社も全部断ってきました。今の僕を見られたくない?あなたのプライドなんてどうでもいいです。私は日向徹についていきたい。と伝えた。
日向徹は、乗れ。と言って、夏井真琴は、はい!と嬉しそうに答えた。
走り出した2人はネクストイノベーションがあるビルを眺めた。そして、夏井真琴が、写真撮りません?今日は何かが終わる日ではありません。二度目のスターの日です。だからその記念の日に写真を撮りましょう!で、今度隣にいるのは私なんです。と告げるとふふふと笑った。
ビルをバックにツーショットの写真を撮った。
その写真を見て日向徹は、ボロッボロだな。と一言。
夏井真琴は、初めはこれくらいがいいんです。と答えた。
ビルを眺めていた日向徹は、ここは僕の全てだった。といった。
夏井真琴は、はい。と言って笑いかけた。
2人はバイクで走り去った。
一方夏井真琴は、s-tel製薬株式会社に来ていた。